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上場維持はつらいよ

 今日に始まったことではありませんが、適時開示情報で1日3件上場維持、廃止に関するリリースがあったので、その点について触れたいと思います。

上場するには基準がある

 株取引をされている方であれば一度は目にした事があると思いますが、株式を上場するには一定の基準を満たさないといけません。

 

 そしてめでたく上場を果たしたとしても、その後上場維持基準を満たさないと上場廃止の措置を受けることになります。

 

 上場維持、廃止の基準についてはこちらのページで簡単にまとめています。お時間がございましたら一度ご覧ください。

上場維持基準の適合に向けた計画

 上場株式の基準は日本取引所グループが定めています。日本取引所グループは上場廃止基準を定めていて、この基準に抵触して取引所が上場困難と認めたときは上場廃止となります。

 

 上場廃止基準の中の1つに「上場維持基準への不適合」というものがあります。この内容は、上場維持基準に適合しない状態となった時から原則として1年以内に上場維持基準に適合しなかったときは上場廃止となるものです。

 

 そして上場維持基準に適合しない状態となった場合は、当該状態となった時から3月以内に、上場維持基準に適合するための取り組みおよび実施時期を記載した計画を提出しなければなりません。

 

 この取り組みが厳しくて、原則として1年以内に基準を満たさなければならないのです。別ページにも載せていますが、基準を要約すると次の内容となります。

    市場名
項目 単位等 プライム スタンダード グロース
株主 _人以上 800 400 150
流通株式 __単位以上

20,000

 

2,000 1,000
時価総額(_億円以上)

100

10 5
比率(_以上) 35% 25% 25%
売買代金 _平均売買代金 1日0.2億円以上 月10単位以上
純資産の額 _億円以上 なし
時価総額

_億円以上

なし

なし

40

 特にプライム市場は厳しい感じがします。流通株式の時価総額と平均売買代金の要件なんか難しいですよ。優待銘柄は基本的に優待月以外は流動性がめちゃくちゃ低いですからね。

本日の計画書発表銘柄

 テンポイノベーションは流通株式時価総額が約28億円ショートし、1日平均売買代金も僅かですが足りません。

 

 関西フードマーケットは流通株式比率が不足していました。リリースされた文章に理由が書かれていましたが、ゆくゆくは大株主が保有する株式を市場に放出するのでしょうか・・・。不確実性の高い話ですが株価に影響しそうな内容なので有耶無耶な表現にとどめます。

 

 私たちは優待品がどうだこうだと楽しんでいますが、経営陣は上場維持のためにかなり苦労されていますね。優待品のありがたみを感じます。